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2006年11月 Archive

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紅葉の南禅寺

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>三門を見上げて。
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>南禅院庭園。

週末に京の紅葉をみようと父母を誘った。大原かもっと静かなところがいいのだが、今年は南禅寺の紅葉を見ようと心に決めていた。
私はこれまでに南禅寺の紅葉を見たことがなかった。見ることが出来なかった。

冷たい雨が降っていた。名物の湯豆腐屋に多くの客を通り過ぎて、暫く歩いた。やがて三門を見上げ父は、「石川五右衛門が『絶景かな。絶景 かな。』といったとこだ。」と話をしていた。父はそういったことに詳しい。歌舞伎「楼門五三桐」(さんもんごさんのきり)の見得の話だ。
三門の下から見た寺内は、完全には紅葉していなかった。紅、赤、朱、茶、黄、緑の混ざった色だ。雨の冷たさに紅葉も進むのだろう。日があたらない紅葉は、より秋を感じさせる。観光客が多く寺内もにぎやかではあるが、それでもぎらぎらしてはいない。三門に登れば、京の町に点在する紅葉を一望できるのだが、南禅寺の紅葉は下から見るものだろう。この門は別格に大きく、重い。雨空の暗さを全部背負うことができる重さだ。

三門は、空門、無相門、無願門の三境地を経て仏国土に至る門、三解脱門(さんげだつもん)を表すという。あらゆるものに実体なく、いかな るものについても認識せず、いかなるものにも執着しない、そんな三昧を表す。到底私にはわからない。多くの人もわからないだろう。それ故に三門は三門であり続けなければならないだろう。

三島由紀夫の「金閣寺」にもこの南禅寺が出てくる。金閣寺を書くとき、この南禅寺を意識する必要があったのだろう。南禅寺であったからこそ、狂気の舞台として遜色ないのだとも思いながら、京の秋が暮れていくのを、見に行った。

紅葉が終ると、いよいよ京にも冬が訪れる。

本棚:「千の命」 

  • Posted by: TORU
  • 2006-11-18 Sat 13:04:14
  • Books(本)
「千の命」(植松三十里著/講談社/2006年6月)を読んだ。先月NHKの週刊ブックレビューで紹介され、翌日にはこの本を読み終えていた。賀川玄悦という産科医の大人物についての伝記であるが、その人間臭さがにじみ出ている、良い本だ。我が家の本棚に。

 江戸中期の医者、賀川玄悦(Kagawa, Gen’Etsu:元禄13年-安永6年/1700-1777)は、本来は按摩/鍼灸の人で医者ではなかったが、独学で古医方を学び産科を独習した人物だ。当時、お産は今以上に命がけだった。そんな中、回生法(鉄鉤法・切胎術)というわが国最初の産科手術を行い、数多くの産婦の生命を救った。「生」への執念の人、人間愛の人である。まさに日本の産科医の祖だ。その後、門弟らによって賀川流産科が継承され、明治以降の西洋産科学受容の素地を作った。

 賀川玄悦の業績の一つは「正常胎位」の発見である。それ迄は、胎児は子宮内では頭を上に臀部を下にして位置しており、陣痛が始まると一回転して頭が下に向かうと考えられていた。が、これが誤りであり妊娠中期頃から頭が下に位置するのが正常であることを初めて唱えたのは、William Smellie(1697-1763)であり、日本では玄悦であった。二人は独立に1750年前後(寛延3年頃)にこのことを発見した。
 
「だれでも、お母ちゃんが命がけで生んでくれはったんやから、大事に生きなあかん。」ーその通りですね。
 
Smellie,William(ウィリアム・スメリー)(1697-1763)
http://en.wikipedia.org/wiki/William_Smellie_%28obstetrician%29

Beaujolais nouveauが解禁

  • Posted by: TORU
  • 2006-11-16 Thu 02:41:21
  • Foods(食)
秋の風物詩の一つ、Beaujolais nouveauが解禁になった。毎年11月の第3木曜日に解禁になる。今年は今日の0時だ。さっき(午後10時過ぎ)仕事帰りに、高円寺の東Qに立ち寄ったら、箱をあけていた。0時まで待とうかな?なんて頭によぎったが、遅くなるので明日にした。

私は正直毎年これを待ち望むほどvin=wineマニアではない。ただ売り場で喧伝されるから目につく。結果、毎年解禁日から1週間ほどの間にどこかで口にしている。Beaujolais nouveauは、Beaujolaisの新酒だから、その年のブドウの出来不出来を見る為の味見だ。Beaujolaisは、仏南東部Lyonの北に位置するwineの産地。vin自体は、この地域がBourgogne地域圏に隣接することから、Vignoble de Bourgogneに分類されている。だからこの地域のvinの出来不出来ぐらいはわかるのだろう。

ところでこんな極東アジアで新酒を祝うからには世界中で売れていて、MMS(もうかって、もうかって、しょうがない。)状態だろうな、と思いきや、現場はそんなに甘くは無いようだ。Michel Deprost著「ボージョレの真実」(2006)(原著:2004年)にあるが、新酒ばかりに頼りすぎて、熟成vinをないがしろにした結果、危機的な状況にある。流行に乗りすぎたのだ。日本のコンビニでこの新酒を見かけるほどに、価格が下落している。

更に付け加えるとフランスのvinをとりまく環境は相当に悪化している。なにより消費量が減っている上、グローバル経済の中での価格下落である。またvin後発国への技術流出が激しい事がそれに追い打ちをかけている。
まるで電子製品に置ける日本とアジアの関係と同じだ。

vinも他の商品と同じように闘い続けている。世界に冠たる食文化の一つなのだから、持続的な消費でありたい。酔っぱらう前に、ふとそんな事を考えながらvinを買えるようになったら、vinが好きになるのかもしれない。

Michel Deprost著「ボージョレの真実」
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/4309269230

Beaujolais
http://fr.wikipedia.org/wiki/Vin_du_Beaujolais

本屋の棚力

  • Posted by: TORU
  • 2006-11-15 Wed 19:14:03
  • Books(本)
私はよほどでない限り、本屋に入らない日はない。殆ど「習慣」といえる。それは本屋によって棚のつくり(=商品の陳列)が異なり、それが面白くて出先であろうと近所であろうとつい覗きたくなるのだ。良い棚作りをしている本屋は、良い店員がいるところだ。本屋が受難の時代だけに、極力そういった意気込みのある本屋で買おうとしている。
先日、急な出張で大阪に帰ったが、そんな時でも「本屋」にだけは律儀にかよっている。別に本だけに大阪で見る必要はないのだが、「習慣」だから仕方ない。今回は千里中央という実家の最寄駅の本屋だ。この本屋、当駅では一番の規模を誇る本屋であり子供の頃から大変お世話になった。(わかる人にはわかる。)
そこで驚愕の棚作りを発見したので報告したい。

その棚には3つのPOPがあった。
1)白川静さん追悼の棚である。漢字研究の第一人者として知られ、漢字学三部作「字統」(1984)「字訓」(1987)「字通」(1996)はまさにライフワークであり、一度見たら強いびっくりするだろう。我が家にも何冊か本がある。この棚は納得、そしてご冥福をお祈りした。

2)続いて、追悼棚の真横に、村上春樹さんのフランツ・カフカ賞受賞記念の「おめでとう」棚。確かにおめでとうだ。世界の文学界で紹介されている日本の作家としては、もっとも今旬な作家と言ってもいいだろう。棚を作られる理由は確かに「ある」。しかし、同じ棚の中に「追悼」と「おめでとう」を混在させるのは、「何だかなあ。(阿藤快風)」。

3)そして、その真下にリリー・フランキーさんの棚だ。この棚、文庫の棚だけに「東京タワー」は含まれていない。要するに、リリー節の聞いた、スパイシーな(ふざけた)本ばかり。上の2点まではまあ、仕方がない、と理解しても、その下にリリーさんは無しだろう。

上記三氏のことを、あえてここで紹介するまでもないだろうが下に並べて見た。いかに異様な風景かが想像できるだろうか。確かに出版者が同じだったが、それにしてもだ。書店員の方、この棚作りは何故に。どうしてだ?この棚作りのヒントには、土屋賢二さんの著書があったのか。意味がわからない。そして今土屋氏の名前を目にしたあなたには氏の「簡単に断れない。」(文春文庫)が本屋で発見しておかしさを見て欲しい。


1-1)立命館大学中国文学専攻
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/cl/shirakwa/

1-2)wikipedia白川静
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E5%B7%9D%E9%9D%99


2)村上春樹.com
http://www.murakami-haruki.com/

2-2)wikipedia村上春樹
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E6%98%A5%E6%A8%B9


3-1)lilyfranky.com
http://www.lilyfranky.com/top/

3-3)リリー・フランキーwikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%BC

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